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2006年5月15日 (月)

トヨタパイナイ?

バンコク某日。
繁盛している屋台のおばちゃんの話。

彼女は、30代半ば、
ぶっさいくだけど、愛想はなく、でも、色は黒く、
けれども、性格はけっしていいとはいえなかったが、
タイのイサン地方の出で、学歴はなかった。

商売と料理の才能だけはあったらしく、
屋台を力一杯切り盛りして、
遠くからでも客が通うようなりっぱな屋台を営んでいた。
彼女の顧客の中には、TVタレントさえいるそうだ。
彼女は、商売用にか、
立派なトヨタのピックアップトラックさえ持っていて、
少数の大金持ちの他は、
貧乏人がほとんどのこの国では、
なかなかに成功者といえたかもしれない。

数名いる従業員の中の一人は実は彼女の配偶者で、
ほんとは店の主人なのかもしれなかったが、
従業員以上の者には見えなかった。
手伝いの女の子をからかってる様子などは、
じつに極楽とんぼな存在にみえた。

ある日、おばちゃんの配偶者とトヨタが消えた。
おばちゃんは、ぶさいくな顔をさらにゆがめて教えてくれた。
彼は、女をつくって出奔したのである。
そして、また何日かたって、
前のように屋台で働いている彼がいた。

トヨタはどうしたの?

黙々と働く彼にぼくは残念ながら聞けなかった。

おんなとトヨタは行方不明かもしれないけど、
帰る場所はまだ失くしていなかった彼は、
実はなかなかに幸運な極楽とんぼだったのかもしれない。
(2005年06月25日)
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